そして透明になる
あなたのいない空間は
思い出を連れてくる
だから私は
今に居なくなる
同じ空間で
私とともにいるモノたちでさえ
同じ時のなかに
存在しているはずなのに
まるで風景に刻まれた絵のようで
とても遠くて
手なんか届かない距離にいるみたい
わたしは空っぽの空間に
そっと身をゆだね
静かにじぶんの呼吸に
耳を澄ます
音のない空気のなかに
蘇った過去が流されていくのを
皮膚で感じながら
呼吸とともに
透明になっていくわたしは
この空間に溶け込んで
空っぽに酔いしれる
その透明さが
あなたを脳裏から消していくんだ
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